原題:United
2011年/イギリス/94分監督:ジェームズ・ストロング
出演:デヴィッド・テナント、ダグレイ・スコット、ジャック・オコンネル、サム・クラフリン、ディーン・アンドリューズ
(あらすじ&概要)
名門マンチェスター・ユナイテッドに加入した若きボビー・チャールトンは、必死の努力の末、ついに念願のスタメン出場を果たし、以後、チームのレギュラーとして華々しく活躍。ところが1958年2月6日、遠征先からの帰路、クラブのチャーター機がミュンヘンの空港で離陸に失敗し、ボビーの仲間であるチームの主力選手8名を含む、計23名が犠牲者となる悲劇的な事故が発生。ユナイテッドはクラブ存亡の危機に立たされる。
世界屈指の名門サッカークラブとして輝かしい栄光と伝統を誇るイングランドの強豪、マンチェスター・ユナイテッド。ところが1958年、不慮の航空事故により、チームの主力選手8名が死亡するという悲劇に遭遇。これにより、クラブの存続そのものが危ぶまれるなか、彼らが不屈の精神と情熱により、奇跡の復活を果たすまでの姿をドラマチックに描写。サッカー・ファンならずとも、熱い涙なくしては見られない感動作だ。主演は英国の人気TVシリーズ「ドクター・フー」の10代目ドクターで知られるD・テナント。
(予告)
80点欧州フットボールファンなら観なきゃあかんやろと思って観た本作。"ミュンヘンの悲劇"の概要を知ると共に映画としても面白いと思った。
僕は大のスポーツ好きなんだけど、スポーツ映画ってそこまで好んで観ないんだよね。何故かというと試合のシーンで萎えるから。やっぱりいくら役者といえどもプロの動きを再現するのは不可能。そこまでがどれだけ良かろうと試合だけで萎えたりする。
そんな中本作は試合は描かれてはいたものの実際のプレイを流すことがなかった。当時の音声かは分からないけど、当時を思わせる実況と観客の歓声だけで試合を描く演出は物凄く好みだった。その時点でこの映画に抱いてた不安は払しょくされた。
そして本作は当時のフットボールを取り巻く環境を丁寧に映してくれる。それだけでフットボールファンの自分は大満足である。例えばスパイクやボールは今のものと全く違うし、ユニフォームにはスポンサーが入っていない点など現代との違いをいくつも発見することができた。また、FAとの軋轢を描いていた点も後々の展開を考えると必要な部分だと思った。
映画冒頭に劇場のスクリーンでスポーツニュースを観る選手たち。有力選手の名前が読み上げられる中、自分は「ボビー・チャールトンはまだか…」とワクワクしてた。ただそこで名前は読み上げられず。「あれ?」と思ってたらその頃はまだボビー・チャールトンはユースの選手だったというね。ミュンヘンの悲劇=ボビー・チャールトンの生還のように思ってたので当時からバリバリ活躍してるものだと思ってた。ミュンヘンの悲劇を描く以前に、マンチェスター・ユナイテッド自体やボビー・チャールトンの成長を描くことで映画としての厚みを増していた。
ボビー・チャールトンは「サー」の称号を与えられたイングランドを代表する選手。
良くMan.Utdの試合を観戦しに来てるんだよね。

香川の移籍で日本人にも馴染みの深いクラブとなったマンチェスター・ユナイテッド。
日本人ファンや日本のメディアなどはこのクラブのことを「マンU」と表現するよね。ただ、この「マンU」という表現、現地では差別用語にあたるって知ってた?
そのきっかけとなったのがこの"ミュンヘンの悲劇"。ライバルクラブのリバプールやリーズのファンが「Uターンできなかった男たち」とユナイテッドを馬鹿にしてつけた蔑称が「ManU」。ミュンヘンの悲劇で亡くなった選手たちが『ドイツの土のManUre(肥料)になった』とチャントしたのが始まりなんだけどね。そういうこともあって現地では「マンU」とは決して呼ばれないんだよね。最大の侮蔑表現にあたるから。これから香川効果もあり現地に観戦に行く日本人もますます増えるんだろうけど、少なくとも現地ではその表現は使わないことを願ってます。
…と欧州フットボールファンアピールをしたところで今回は終わり。良い映画でした。
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